研究のねらい研究組織
光−分子強結合反応場とは?
 光と分子が強く相互作用できる「光−分子強結合反応場」とはどのような反応場なのか、以下に説明します。近年、金属ナノ微粒子が示す局在プラズモンや、フォトニック結晶に関する研究が進展し、これらのナノ・マイクロ構造体が光と強くカップリングすることが見出されています。
たとえば、局在プラズモンでは,金属ナノ微粒子や金属ナノ構造体が光を捕集するアンテナのように作用し、光をナノ空間に集中・束縛することが可能となります。さらに、このような光の局在化によって入射光の105〜6倍にも及ぶ著しい光電場増強も実現できることが示されています。
 これまでに知られている大きな吸収断面積を有する有機色素分子などでさえ、単一の光子を完全に吸収するためには、1000万個程度の分子が必要となり、光励起の効率は極めて低いと言わざるを得ません。しかし、光子をナノ空間に集めることが可能な金属ナノ構造を用いれば、原理的には単一光子により単一分子を励起することも実現できるものと予想されます(分子の持つ吸収断面積を見かけ上大きくすることに対応します)。
 金属ナノ構造体やフォトニック結晶を光反応場として用いると、超短パルスレーザー照射によってはじめて観測される二光子吸収などの非線形光学現象も、微弱な光により、光が局在するナノ空間に選択的に誘起することが可能になります。また、分子の持つ波動関数の広がりは、このようなナノ空間に局在した光電磁場の分布とほぼ同程度となるため、分子は極めて強い電場勾配を感じることになり、長波長近似が破綻し、光励起の選択則が変化することも予想されます。


光−分子強結合反応場はどのような構造?
 光を捕捉・局在化させる構造はすでにいくつか提案されています。以下に示す電子顕微鏡写真は、合成化学的手法を用いてボトムアップ的に作製した金コロイド粒子の2次元配列構造、半導体加工法によりトップダウン的手法によって作製した金ナノ構造体(チェッカーボード構造)、フェムト秒レーザー加工法によって作製した3次元フォトニック結晶構造、トップダウン・ボトムアップ手法を駆使して作製した微粒子配列(3次元フォトニック結晶)です。これらを用いることによって光−分子強結合反応場が構築されることが期待されます。

光を捕捉・局在化するナノ・マイクロ構造


   
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